【アンテナの豆知識】アンテナのユニークな形状の理由とは

テレビアンテナをはじめとしたさまざまなアンテナの中には非常にユニークな見た目を持ったアンテナ機種が存在します。

皆さんはその理由をどれだけ知っているでしょうか。

実はテレビアンテナの形状にはそれぞれの機種ごとの特徴や送られてくる電波を受け取るといった用途に合わせた工夫が凝らされているのです。

そこで今回はアンテナのユニークな形状について、八木式アンテナとパラボラアンテナを例に挙げて解説していこうと思います。

ぜひ最後までご覧ください。

八木式アンテナの形状と理由

まずは八木式アンテナの形状とその理由について解説していきましょう。

八木式アンテナとは素子アンテナ・指向性アンテナに分類される機種であり、そのコストパフォーマン性能と電波受信感度の高さから国内でもトップクラスのシェアを誇っています。

そんな八木式アンテナの形状ですが、これはよく「魚の骨」といった表現をされる特徴的なものになっています。

国内トップクラスのシェアを誇っているということもあり、皆さんのご自宅のテレビアンテナや周辺地域の建物のテレビアンテナを見てみるとこの八木式アンテナの形状を目にすることができるかもしれません。

そして、この魚の骨のような形状・構造の中でもいわゆる「小骨」にあたる、小さな棒状のパーツが八木式アンテナにはいくつも取り付けられています。

実はこのパーツこそ八木式アンテナの形状と非常に密接な関係にあるのです。

この小骨にあたるパーツは素子(エレメント)と呼ばれており、素子アンテナという分類の名前の由来でもあります。

そのため素子アンテナに分類されるアンテナ機種は素子を備えているのです。

では八木式アンテナにおいて素子がどのような役割を担っているかと言うと、テレビアンテナ本体が電波送信施設から送られてきた電波を受け取る際に、その電波を増幅させるというものです。

素子は個数が増えれば増えるほど電波の増幅度合いが向上するという特徴を持っているため、八木式アンテナは魚の小骨のような素子をいくつも備えているというわけです。

また、八木式アンテナにはこの素子をなるべく多く取り付けるために棒状の長いパーツが組み込まれています。

その結果として高い電波受信感度を発揮することができ、コストパフォーマンスに優れたテレビアンテナとしての性能を実現しているのです。

つまり八木式アンテナの魚の骨のような特徴的な形状は、素子の効果をより発揮させるための工夫というわけです。

ちなみにテレビアンテナにおける電波受信感度はあくまで電波の受け取り方、受け取る際のロスの少なさだけではなく、受け取った後にどれだけ受信した電波を増幅させられるかも含まれています。

また、素子アンテナのように「素子」の仕組みを利用して電波を増幅させることについては専門的な呼び方として「利得を増やす」と言うこともありますので、テレビアンテナに関する記事を読む際にはご注意ください。

パラボラアンテナの形状と理由

次に紹介するのは、お椀型のシルエットが特徴的なパラボラアンテナです。

パラボラアンテナは現状唯一の衛星放送用アンテナであり、「特定の方向に対して強い電波受信感度を発揮する」という性質を持った指向性アンテナにも分類されるアンテナになります。

このパラボラアンテナですが、実はパラボラという単語には「放物線」という意味があり、お椀型の部分が放物面を描いていることから名付けられました。

ではどうしてこんな形状をしているかと言うと、それは衛星放送を受信するのに優れた形状だからです。

パラボラアンテナは宇宙に存在する放送衛星から送られてきた電波を受信しなければいけないのですが、送られてくる電波は宇宙空間から地上に届くまでの間にどうしても弱くなってしまいます。

こういった背景があるため、パラボラアンテナはお椀型の反射器で電波を反射し、中心部分に集めて受信しやすいように設計されているのです。

パラボラアンテナは放物曲面凹型のアンテナで、「ディッシュ」「一次放射器」「コンバーター」という3つの部位から構成されています。

まずディッシュと呼ばれる放物曲面は放送衛星からキャッチした電波を反射させ、中心部分に付いた金属部分へと集中させる役割を持っています。

そして一次放射器では中心点に集まった電波を取り入れます。

最後に、コンバーターは放送衛星から送られてきた電波の周波数を変換する役割を担っています。

こういった仕組みによってパラボラアンテナはテレビを視聴するために十分なレベルの電波を受信しているのです。

先述したようにパラボラアンテナはテレビアンテナの分類の中でも「指向性アンテナ」に属するアンテナ機種で、指向性アンテナとして挙げられるアンテナ機種は先ほどご紹介した八木式アンテナも含まれています。

そんな指向性アンテナの特徴でありメリットでもある「特定の方向に対して著しい電波受信感度を発揮する」という点をパラボラアンテナも備えてはいますが、これは「アンテナの向きがほんの少しでもズレると電波受信感度が著しく低下する」という注意すべき部分でもあります。

そのためパラボラアンテナや八木式アンテナなどの指向性アンテナの設置および利用を考えている方は、アンテナの向きがズレてしまわないように注意しておくとよいでしょう。

アンテナに関するご相談・施工依頼はアンテナパンダまで

今回は八木式アンテナやパラボラアンテナを例に挙げて、アンテナのユニークな形状とその理由について解説しました。

アンテナがユニークなデザイン・形状をしているのは、機種ごとのメリットを活かすためであったり、電波を受信するための工夫が凝らされているからだということが分かっていただけたことと思います。

今後アンテナを新しく設置したい、もしくは買い替えを考えている方はアンテナ機種ごとの特徴を把握したうえで、予算や用途に合った最適なアンテナ機種を選べるとよいでしょう。

弊社アンテナパンダでは24時間365日いつでもお客様からの施工依頼やご相談を受け付けていますので、もしもアンテナに故障やトラブルが発生した場合や新しくアンテナの設置を検討されている方はぜひ、アンテナパンダまでお気軽にお問い合わせください。

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