【アンテナの豆知識】テレビはどうやって電波を受信してるの?八木式アンテナの原理や構造を解説します
住宅の屋根の上に、魚の骨のようなものが設置されているのを見たことがありますか?
魚の骨に見える機器は八木式アンテナと呼ばれるもので、地上デジタル放送を視聴するために欠かせないテレビアンテナです。
八木式アンテナは、歴史が古く、広く利用されているため家庭普及率が非常に高い設備です。
また、扱いやすさや費用の面でも良心的で需要が高い機器として知られています。
しかし、何気なく利用している八木式アンテナがどのような原理でテレビが視聴できるのか、どのような構造であるかの認知度は低いのが現状です…。
八木式アンテナの原理や構造を知ることで、アンテナ交換に迷った際の参考になりますよ!
今回は、八木式アンテナの原理や構造、メリットとデメリットも併せてご紹介します。
ぜひ、最後までご覧ください。
八木式アンテナの歴史と役割
八木式アンテナの誕生は、1924年に現在の東北大学の教授であった八木秀次博士が実験中にアンテナの原理を発見したことが始まりといわれています。
八木博士は長年研究を重ね、家庭用テレビのアンテナとして実用化に成功し1953年2月に普及していきました。
電波の発信源から遠くの弱い電波であっても特定の方向に集中させて受信することが可能となり、現在も変わらず広く利用されています。
テレビアンテナの役割として、テレビ局から送信される電波信号を受信し、受信した電波を送ることでテレビの視聴が可能となります。
テレビ電波は、映像や音声を伝えるものであるため、アンテナがなければ正確な電波信号を受け取ることができず、テレビ視聴を楽しむことができません。
八木式アンテナの原理
八木式アンテナはどのような原理でテレビ電波を受信しているか、以下で解説します。
電波の受信について
電波塔から発信される電波は、電界や磁界の変化により電流を発生させます。目に見えない電波が空を行き交い、電気信号を導線へ誘導したり電波を送信したりするのがアンテナの最大の役割です。
テレビ電波を受信するために、家庭に設置した八木式アンテナ周辺にある電磁波でアンテナに流れる電流を発生させ、導線に高周波電流を流し受信機に伝えます。
八木式アンテナは向ける方角により受信できる電波の量に変動があります。よって、アンテナの位置を正確に捕え、十分な量の電波を受信できるよう方向を調整することが大切です。
電波の増幅について
八木式アンテナは、一方向からの電波を増幅して受信できる指向性アンテナです。
電波の発信源から遠く弱い電波であっても電波を特定の方向に集中させて受信します。
さらに、八木式アンテナには、素子と呼ばれる短い棒のようなものが複数ついており、その見た目が「魚の骨のような形」といわれる所以です。
素子は数が多いほど受信電波の性能が良いとされています。
八木式アンテナ以外のテレビアンテナにも同様の素子が内蔵されていますが、素子に限りがあるため八木式アンテナほど性能は良くないです。見た目が無機質であっても、素子の数が最も多い八木式アンテナは「最強のアンテナ」という異名で呼ばれ、八木式アンテナの性能に優るものはありません。
電波の反射について
八木式アンテナを正確な方向へ設置すると、アンテナの後方部からは不要な電波を受けてしまいます。しかし、アンテナ後方からの電波を遮ることができるため前方からの必要な電波を反射器に反射させ、アンテナに電波を送ることが可能です。
アンテナ後方部に障害物を設置すると、一方向からの強い電波を受信できます。
八木式アンテナの構造
八木式アンテナは、複数の短い棒が取り付けられている形状ですが1つ1つ役割が異なり、1つでも欠けると十分に性能を発揮できません。
各機器の役割をご紹介します。
導波素子
導波素子は、魚の骨と例えられる小骨の部分であり、電波を捕らえ放射器に導く役割を果たします。
導波素子を増やすことで電波を受信できる面積が増え、アンテナ電波を強める度合いが増加します。
しかし、導波素子の数が多ければアンテナ電波を強める度合いが無限に増加することはなく、12素子以上が限界です。
電波感度を増やしたい場合は、複数のアンテナを設置すると良いでしょう。
反射器
反射器は、後方からの余計な電波を遮り、前方からの必要な電波を反射させて給電部に送る役割を果たします。
高域反射器は高い周波数の電波を遮り、低域反射器は広域反射器で遮れない電波を遮ります。
放射器
放射器は、導波素子で捕えた電波や放射器に接触した電波を吸収し給電部に送る役割を果たします。
給電部で電波を電気信号に変換し、同軸ケーブルを通じてテレビまで供給します。
八木式アンテナが設置できる場所
八木式アンテナは電波を効率よくキャッチするために屋根上設置が基本です。
しかし、以下の理由により設置できない場合は、屋根上以外の設置をおすすめします。
- アンテナを目立たせたくない
- 太陽光パネルが屋根上にあるためアンテナ設置が難しい
- 片流れ屋根(一方向だけに勾配がある屋根)や段違い屋根(高さが違う屋根を組み合わせた屋根)である
上記の状況である場合は八木式アンテナを屋根上に設置した際、バランスを崩し危険であるため屋根上以外の設置が良いでしょう。
屋根上設置が基本の八木式アンテナですが「アンテナを目立たせなくない」「屋根上以外の場所に設置したい」などの要望がある場合は、アンテナ専門業者に電波レベルを調査してもらい、条件が合えば屋根裏や壁面への設置が可能です。
八木式アンテナのメリットとデメリット
八木式アンテナは電波をより多くの電波を受信でき、最強のアンテナであると紹介しました。
さらにメリットを理解し併せてデメリットも知ることで、アンテナ交換の際の参考になるでしょう。
メリット①:電波が受信しやすい
電波をより多く受信できる=電波が受信しやすい、といえます。
テレビ電波は、強電界地域・中電界地域・弱電界地域に分けられ、それぞれ電波レベルが異なります。
八木式アンテナは全ての電界地域で電波を受信できる強みがあるため、電波環境に制約がある地域でも問題なく利用できます。
メリット②:アンテナの本体価格が安い
八木式アンテナはテレビアンテナの中でも最も本体価格が安いです。
ホームセンターやインターネットでも購入できる八木式アンテナは、平均価格が5,000円前後であり、ケーブルやアンテナ設置に必要な部品も付属されているケースが多いです。
一度設置するとメンテナンスが不要で約10年以上使うことができ、コスパ最強アンテナと称されることも。
できるだけ費用を抑えて、電波をしっかり捉えテレビ視聴を楽しみたい方にピッタリな製品といえます。
デメリット①:とにかく目立つ
なんと言っても圧倒的な存在感は、屋根上に設置すると非常に目立ちます。
デザイン性を重視した住宅に設置すると、住宅の美観を損ねる恐れがあるでしょう。
デメリット②:風の影響を受けやすい
八木式アンテナを屋根上に設置した場合、台風などの強風の影響を受けやすく、倒壊し破損することがあります。
アンテナが倒壊するとテレビ視聴が困難になるだけでなく、屋根を傷つけたり隣接する住宅へ落下し二次被害を生む原因となります。
台風が多い地域では、屋根上以外の設置を検討しましょう。
テレビアンテナのご相談などはアンテナパンダまで
今回は、八木式アンテナの原理や構造、メリットとデメリットも併せてご紹介しました。
八木式アンテナは、細かなパーツがそれぞれバランスを取り合うことで電波を効率よく受信できます。
圧倒的にメリットの方が多いためコスト削減、快適なテレビ視聴が可能となりいい事づくしです!
取り付けを検討される方はぜひ専門業者にご依頼ください。
テレビアンテナの破損や故障などのトラブルに遭遇した場合には、お近くの信頼できるアンテナ専門業者に相談や修理依頼を行うことをお勧めします。
弊社アンテナパンダでは24時間365日いつでもお客様からのご相談や施工依頼に対応しています。
例えばアンテナの施工作業の際には経験豊富なプロのスタッフが施工作業を行いますので安心です。
テレビアンテナの施工依頼やお悩みのご相談など、テレビアンテナに関することでお困りの方はぜひアンテナパンダをご利用ください。
お電話で問合せ
LINEで問合せ
以下のLINEボタンをタップして、友だち追加後メッセージを送信ください。
メールで問い合わせ