【アンテナの豆知識】鳥害からアンテナを防ぐ方法!起きやすい被害や原因も紹介
安価ですが受信感度に優れており、そのコストパフォーマンスの良さから全国各地に設置され、日本国内でのシェア率トップをほこっている地上デジタル放送用アンテナが「八木式アンテナ」です。
しかし優秀なテレビアンテナであると同時に強風による倒壊をはじめとした、いくつかの注意点も抱えていることもまた事実です。
今回はそのうちの「鳥害」へとスポットを当て、「なぜ鳥害が発生するのか」「どうすれば鳥害を防ぐことができるのか」について、徹底解説しておこうと思います。
八木式アンテナのご購入・設置を考えていらっしゃるお客様に関しては特に、最後までお読みいただけると幸いです。
まず「八木式アンテナ」とは?
基本的な設計自体は第一次世界大戦より前、1900年初頭に確立され、欧州やアメリカによって航空機・艦船・軍事基地等に搭載・改良されたものが太平洋戦争後に日本へと逆輸入、普及していったという紆余曲折を経て、この「八木式アンテナ」は現在に至っています。
「放射器(輻射器/ラジエーター)」、「導波器(ディレクター)」、「反射器(リフレクター)」という三つの要素で成り立つ地上デジタル放送用アンテナで、その高いシェア率から住宅街を見渡してみれば、簡単に「骨だけになった魚」のようなこの八木式アンテナの実物を見つけられることでしょう。
その中でも、まるで魚の小骨のように複数個取り付けられている「導波器」が、アンテナの構造の中でも特に重要である「素子」としての役割を担っており、簡単に言ってしまえばこの「素子」を多く持っているからこそ、八木式アンテナはその高い受信感度を実現できています。
ですが、この骨だけになった魚にも似た外見が、電波を多く受け取れる、素子の間で電波を増幅できる以外に、風を受けやすく煽られやすくなってしまう関係上、台風、竜巻をはじめとした強風によって破損してしまう、直接的な要因ともなってしまっています。
またこの「骨だけになった魚」の小骨にあたる素子や、アンテナとしての基本構造部分がまるで止まり木のようになってしまうため、鳥が止まってしまう、フンをしてしまうといった「鳥害」、あるいはフン害が発生してしまう温床ともなってしまうのです。
「鳥害」とは、実際にどのような被害を生むのか
この「鳥害」によって発生する具体的な被害に関しましては、フンを落とすことによって景観を損ねるといったもの以外にも、次のような事柄が考えられます。
①鳥が留まることにより、アンテナがズレてしまう
これは指向性アンテナといった特定の角度では効率よく電波を集められるアンテナの一種である八木式アンテナにとって、致命的な問題となります。
「特定の角度では効率よく電波を集められる」反面、その角度からズレてしまった場合、電波の受信感度や受信効率が大幅に落ちてしまうのです。
その効率悪化が顕著であると、テレビが映らなくなってしまうといったわけです。
②鳥がフンを落とすことによってソーラーパネルに影響が出る
ご自宅にソーラーパネルなどを設置していらっしゃる場合、鳥が止まった際に出来る影によって一時的に、またフンがソーラーパネルに落下した場合、そのフンが落ちた場所は恒久的に効率が落ちてしまいます。
鳥の種類によってはそのフン自体が酸性・弱酸性であるといった特性を持っている可能性もあり、そのようなケースではソーラーパネル自体に変容を及ぼしたり、屋根上に落ちた場合にも塗装を溶かしてしまうといった事態を引き起こす懸念があります。
そんな何とも頭の痛い鳥害ですが、発生事例が多いゆえに対策法も複数にわたって存在しており、どれも「鳥をそもそも留まらせない」といった方針で一致しています。
次の項目では「どのように鳥害からアンテナを防ぐのか」、その方法について詳しくご紹介させていただきます。
基本的な鳥害対策
①結束バンドを巻く
コストは非常に安価なもののその効果は侮りがたく、コストパフォーマンスに優れた防止法となるのがこの「結束バンドを巻く」、というものになります。
防鳥用の特別なものでも何でもなく、ただ一般的に市販されている結束バンドをいくつも巻き、先の伸びた部分が上を向くようにする、といったもので、これは特にカラスなどをはじめとした大型の鳥に対して高い効果を期待できます。
②超音波害鳥撃退器を設置する
ソーラー式・コンセント式などメーカーによって多少の差異はありますが、大元は「害鳥にとって不快な音波を出して、撃退する」といった手法であることには変わりありません。
先述の結束バンドに比べて値が張ることがネックであり、専用の音波を流すので最初は撃退効果を期待できますが、カラスなどの頭の良い鳥には学習され、効果がなくなる可能性がありますのでその点はご注意ください。
③平面デザインアンテナに変更する
八木式アンテナなどのアンテナに付与する形での鳥害対策、とは少し趣旨がズレてしまいますが、平べったい形状をしている上に、屋根上以外にも建屋側面の壁などにも取り付けられる、この平面デザインアンテナに変更してしまうのも有効な手段となっています。
また平面デザインアンテナは昨今増えている洋風住宅の景観も崩しにくく、その点もメリットであると言えます。
ただし八木式アンテナより受信感度が低く、弱電磁地域等の電波が弱いエリアにおいては設置が難しくなっていたり、アンテナ自体の値段も八木式アンテナより高価なものとなっている点は注意が必要です。
アンテナ関連のご相談はアンテナパンダまで
今回は主に「鳥害が発生しやすい八木式アンテナの構造」「鳥害が引き起こす実際の被害内容」、「鳥害を防ぐ手段」についてご紹介させていただきました。
八木式アンテナは非常にコストパフォーマンスに優れている反面、このような鳥害問題が発生しやすくもあり、放っておくとさまざまな不利益を発生してしまいますが、工夫によってはその被害を防ぐことも十分可能である、というのが今回のまとめといったところでしょうか。
ただしその防鳥作業に至っても、実際に危険な屋根上に登らなくてはならなかったり、いざ平面デザインアンテナを導入しようと思い立っても、なかなか物が分からずに悩んでしまうこともあると思われます。
アンテナパンダは24時間365日、様々なお悩みを受け付けております。
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